それいけ!アンパンマン ばいきんまんの逆襲

それいけ！アンパンマン ばいきんまんの逆襲

1990年7月14日に公開された『それいけ！アンパンマン』シリーズ第2作目、『それいけ！アンパンマン ばいきんまんの逆襲』は、前作を上回るスケールで描かれた冒険活劇です。全日本私立幼稚園連合会、社会福祉法人日本保育協会推薦作品として、多くの子供たちに愛されました。キャッチコピーは『危うし！アンパンマン』と、アンパンマンのピンチを予感させるものとなっています。

ストーリー

いつものようにアンパンマンに敗れたばいきんまんは、ばいきん仙人から不思議な力を持つ「メコイスの壺」の存在を聞きます。その壺を手に入れるため、ドキンちゃんと共に冒険に出かけます。一方、ヤーダ姫と相棒のレッサーも、滅びた祖国ヤーダ国を復活させるため、メコイスの壺を探していました。二人はメコイスの塔で壺を発見しますが、ばいきんまんに奪われてしまいます。

アンパンマンに助けられたヤーダ姫は、パン工場で休んだ後、アンパンマン、ジャムおじさんたちと共に壺を取り戻すべく、ばいきんまんを追跡します。ばいきん仙人が与えた変身玉で様々な怪獣に変身するばいきんまんは、アンパンマンの前に立ちはだかります。激しい戦いの末、アンパンマンたちは壺を取り戻し、ヤーダ国へと向かいます。

ヤーダ国で壺の封印を解こうとしたその時、巨大な姿のばいきん大魔王が現れます。アンパンマンたちは、数々の仲間たちと共に、ばいきん大魔王との壮絶な戦いを繰り広げることになります。

魅力的なキャラクターたち

本作には、アンパンマン、ばいきんまん、ジャムおじさん、バタコさん、チーズといったおなじみのキャラクターに加え、しょくぱんまん、カレーパンマン、ドキンちゃん、ばいきん仙人、どんぶりまんトリオなど、多くのキャラクターが登場します。また、ヤーダ姫とレッサーといったゲストキャラクターも重要な役割を果たしており、物語に深みを与えています。

特に、ばいきんまんは、変身玉を使ってバイキングモ、バイキンドラゴン、そして最終的にはばいきん大魔王へと姿を変え、アンパンマンの前に立ちはだかります。それぞれの変身形態には個性的な能力があり、アンパンマンたちを苦戦させます。

美しい背景と高い完成度

本作の美術背景は、テレビシリーズや他の劇場版作品よりも格段に美しく、緻密に描かれています。ヤーダ国など、建造物や街並みの細部まで丁寧に表現されており、大画面での鑑賞に耐えうるクオリティを誇ります。

さらに、約70分という上映時間の長さも、物語の奥行きと完成度を高めています。エンディングテーマ「勇気りんりん」はフルコーラスで、作品の世界観に浸れる演出となっています。

興行収入と原作者の意見

『それいけ！アンパンマン ばいきんまんの逆襲』は、シリーズ最高の興行収入約6億6400万円を記録しました。しかし、原作者のやなせたかしは、本作がアンパンマンとばいきんまんのバトルに比重を置き過ぎていると批判し、以降の作品ではテーマ性をより重視するようになったと言われています。

同時上映作品：おむすびまん

同時上映作品として『おむすびまん』が公開されました。これはアンパンマンとばいきんまんが登場しない、おむすびまんを主人公とした初の劇場短編作品です。「ひとくち村のこむすびまん」と「おばけ寺のたぬきおに」の二部構成で、こむすびまんやたぬきおにといった個性的なキャラクターが登場し、子供たちの心を掴みました。

まとめ

『それいけ！アンパンマン ばいきんまんの逆襲』は、シリーズ最高傑作と評されることもある、高い人気と評価を得た作品です。美しい背景、魅力的なキャラクター、そして壮大な冒険活劇は、大人も子供も楽しめる内容となっています。同時上映の『おむすびまん』も、アンパンマンシリーズとはまた違った魅力を持つ、見逃せない作品です。

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